保育士の勤務時間はどれくらい?平均労働時間や残業の実態を解説
「保育士は毎日どれくらい働くの?残業が多いって本当?」
本記事では、保育士の平均勤務時間やシフト例、残業が増える理由などを解説します。転職・就職で後悔しない選択をするために、ぜひ最後までご覧ください。
保育士の勤務時間はきつい?基本的な労働時間は?
法定労働時間と保育士の契約形態
保育士の勤務時間は「週40時間・1日8時間以内」という労働基準法上の法定労働時間が基本ですが、子どもを長時間預かる保育園では早朝から夜間まで開園している場合が多いです。
多くの園がこの上限を守るため、変形労働時間制を導入し、繁忙・閑散に応じてシフト制を組み、日々の勤務時間を調整しています。
公立園と私立園での勤務時間の違い
公立園(自治体直営)は地方公務員の勤務条件が適用されるため、勤務時間や休暇取得が比較的安定しています。
一方、私立園は法人ごとに運営方針が異なり、開園時間が長い認可保育園や、土日保育を行う企業主導型保育などもあります。詳細は各園に問い合わせてみるのがおすすめです。
シフト制と固定時間制のメリット・デメリット
シフト制では早番・中番・遅番を交替で担当するため、1日の実働が8時間以内でも生活リズムが変則的になりやすい点がデメリットです。ただし平日昼間に自由時間を確保できるというメリットもあります。
固定時間制(例:8:30〜17:30)を採用する小規模園や幼稚園型認定こども園では生活リズムが安定する一方、園児の延長保育や行事準備で残業が発生しやすい側面があります。
保育士の1日の勤務時間とシフト例
保育園は開園時間が長く、午前7時頃から午後7時頃まで園児を受け入れるところが一般的です。そのため保育士は変形労働時間制を採用し、早番・中番・遅番のシフトを組んで8時間前後の勤務を回しています。ここでは代表的なシフトパターンと、各時間帯における仕事内容を紹介します。
早番保育士の勤務時間と仕事内容
早番は開園準備と朝の受け入れを担う役割です。勤務時間は7:00~16:00(実働8時間、休憩1時間)がモデルケースで、残業は比較的少なめですが、出勤が早い分、生活リズムを整える必要があります。
- 09:00 クラス活動の主導、散歩・制作など
- 11:30 給食援助、食育指導
- 13:00 午睡中の環境整備、書類作成
- 15:00 おやつ、自由遊びの見守り
- 16:30 園内清掃、行事準備
- 17:30 ミーティング・翌日の準備
- 18:00 退勤(延長保育がある場合は遅番へ引き継ぎ)
中番保育士の勤務時間と仕事内容
中番は園児が最も多い時間帯をカバーし、活動計画の中心的役割を担います。勤務時間は9:00~18:00が目安で、行事準備や職員会議が入ることが多いため、残業が発生しやすい傾向にあります。
- 09:00 クラス活動の主導、散歩・制作など
- 11:30 給食援助、食育指導
- 13:00 午睡中の環境整備、書類作成
- 15:00 おやつ、自由遊びの見守り
- 16:30 園内清掃、行事準備
- 17:30 ミーティング・翌日の準備
- 18:00 退勤(延長保育がある場合は遅番へ引き継ぎ)
遅番保育士の勤務時間と仕事内容
遅番は延長保育を担当し、閉園作業まで見届ける役割です。勤務時間は10:30~19:30が一般的で、保護者対応や清掃・戸締まりまで幅広い業務を行います。閉園後に事務処理が発生すると退勤が遅くなることもあります。
- 10:30 登園対応補助、クラス活動参加
- 12:00 給食後片付け、午睡補助
- 14:00 行事準備、書類整理
- 16:00 延長保育スタート、異年齢児保育
- 18:30 順次降園、保護者へ連絡事項共有
- 19:00 園内消毒、施錠確認
- 19:30 退勤
保育士の残業が多くなる理由とは?
保育士の平均残業時間は月10〜20時間程度とされ、同じ福祉・教育分野の職種と比べても長めです。その背景には、子どもと直接関わる「保育時間」以外に発生する膨大な周辺業務が集中していることが挙げられます。
書類作成や事務作業
日案・週案・月案といった保育計画、児童票、保護者への連絡帳、個別支援計画などの書類は法令や自治体のガイドラインで作成が義務づけられています。
ICT化が進んでいない園では手書き作業が中心となり、さらに負担が増大します。
行事の準備
運動会、発表会、遠足、卒園式など年間行事の準備は保育士の創意工夫が求められる一方で、衣装づくりや装飾物の制作、進行台本の作成など細かなタスクが山積みになります。
特に大型行事の前月〜前週は残業時間が跳ね上がり、タイムカードを押した後に居残る「隠れ残業」が常態化しやすい点も課題です。
会議や研修
クラス会議、職員会議、委員会活動に加え、園内外の研修参加が必要です。
子どもの安全確保上、会議は保育終了後に設定されることが多く、終業後20〜21時まで残るケースもあります。
また、研修は休日や公休を利用して行われることがあり、時間外労働として集計されにくいという問題もあります。自治体によるキャリアアップ研修の受講義務化が進むなか、シフト調整が追いついていない園ほど残業が増える傾向にあります。
勤務時間がホワイトな園を見つけるためのポイント
求人票で確認すべき項目
労働時間・休憩時間の記載
1日の所定労働時間、休憩時間、年間休日数が明示されているか確認します。所定8時間・休憩60分・年間休日120日以上の園はホワイト度が高めです。
残業時間の実績
求人票に「月平均残業5時間」など実績数値が書かれているかに注目します。保育士の平均残業時間は月7〜8時間程度とされるため、これを大幅に上回る園は慎重に検討しましょう。
ICT導入・書類軽減施策が導入されているか
「キッズリー」「コドモン」など保育ICTシステムを導入している園は、連絡帳や出欠管理を電子化し、書類業務を削減している傾向があります。求人票や公式サイトでICT活用状況を確認してください。
園見学や面接で質問すべきこと
シフト作成のルール
希望休の取りやすさ、シフト発表のタイミング(例:1か月前提示)、連勤上限などを質問します。急なシフト変更が少ない園は生活リズムを保ちやすく離職率も低めです。
有給休暇の取得状況
取得率や「半日有休」の利用可否を聞くと園のワークライフバランス意識が見えます。入社半年で10日付与後、年5日の計画的付与を行う園はコンプライアンス遵守度が高いと言えます。
まとめ
保育士の仕事は、子どもたちと向き合うやりがいの一方で、勤務時間や残業について不安を感じている方も多いかもしれません。書類作成や行事準備など、業務量の多さが課題となる園があるのも事実です。
親愛会では、保育士が心にゆとりを持って子どもたちと向き合えるよう、業務効率化を積極的に進めています。ICTシステムを導入し、連絡帳や事務作業の負担を軽減することで、残業を減らし、保育士が本来の仕事である「保育」に集中できる環境づくりに力を入れています。
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