紹介会社は使わない方がいい？保育園・調理業務の採用現場からの本音
紹介会社は使わない方がいい？保育園・調理業務の採用現場からの本音
- はじめに
- 紹介会社とは？仕組みと役割
- 紹介会社を通じた応募が抱える“見えない壁”
- 採用現場が感じる紹介会社利用のデメリット
- 直接応募が持つ大きなメリット
- 実際の現場で起きている「紹介会社経由の不採用」事例
- 求職者に知っておいてほしいこと
- まとめ｜良い出会いは、直接の応募から
はじめに
保育士や保育補助、調理スタッフといった福祉・保育業界での仕事を探す際、求人サイトや求人誌、SNSなど、さまざまな方法で仕事を探すことができる時代です。その中でも「紹介会社を利用する」という選択肢は、手軽で便利に見えるかもしれません。しかし、採用の現場では、紹介会社を通じた応募に対して慎重な姿勢を取るケースが増えているのが実情です。
紹介会社とは？仕組みと役割
紹介会社とは、求職者と企業・施設をマッチングさせる民間の人材紹介業者です。求職者にとっては無料で利用できる一方、紹介が成立した場合、採用側は紹介会社に高額な紹介手数料を支払う仕組みになっています。
一般的な保育士や栄養士、調理師の紹介料は、年収の約30％程度が相場とされており、例えば年収300万円の職員を採用する場合、100万円程度の費用が発生することになります。
紹介会社を通じた応募が抱える“見えない壁”
採用現場では、求人が出されると直接応募と紹介会社経由の応募が混在して届くことが珍しくありません。ところが、同じような経歴・印象を持つ応募者が複数いた場合、採用担当者がどちらを選ぶかとなると、紹介会社を通じていない直接応募の方が有利になる傾向があります。
その理由はとてもシンプルで、採用にかかるコストが大きく異なるからです。人柄も経験も申し分ない人材であっても、「この人を採用すると100万円かかる」という事実が無意識にブレーキをかけてしまうのです。
採用現場が感じる紹介会社利用のデメリット
紹介会社を利用することで、施設側にとってのデメリットは以下のような点が挙げられます。
- コスト負担の大きさ：予算に限りのある保育園や福祉施設では、紹介料が経営を圧迫することも。
- 定着率の不安：紹介会社経由で入職した職員が短期間で辞めてしまうケースも。
- 職員間の不公平感：紹介会社経由で入職した職員に対して、既存職員との待遇や印象にズレが生じる場合があります。
このような理由から、最近では「なるべく直接応募から採用したい」と考える施設が増えてきています。
直接応募が持つ大きなメリット
求職者にとっても、紹介会社を介さない直接応募には大きなメリットがあります。
- 採用担当者からの印象が良くなる：自ら応募してきた行動力・主体性が評価されやすくなります。
- 交渉の自由度が高い：給与や勤務時間などについて直接やりとりが可能。
- 就職後のフォローもスムーズ：施設との信頼関係が築きやすくなります。
紹介会社を介すと、求職者の希望や考えが施設側にうまく伝わらないこともあります。直接応募であれば、自分の言葉で思いを伝えることができ、それが採用の後押しとなるのです。
実際の現場で起きている「紹介会社経由の不採用」事例
ある施設では、同時期に2名の応募がありました。一人は紹介会社からの応募、もう一人は施設のウェブサイトを見て直接応募してきた方でした。どちらも同年代で、経験年数にも大きな違いはありませんでした。
面接後、園長が選んだのは直接応募の方。その理由は「紹介料を払ってまで採用する決定打がなかった」とのことでした。仮に紹介会社経由の方が少し優れていたとしても、コストが大きな判断材料になったのです。
求職者に知っておいてほしいこと
「どこに応募するか」と同じくらい、「どう応募するか」も採用結果に大きく影響します。特に、保育士や保育補助、調理職などの業界では、地元密着の施設や小規模な法人が多く、紹介料のインパクトが非常に大きくなります。
施設のホームページや採用専用サイト、SNSなどで直接募集しているケースも増えています。職場の雰囲気や方針を事前に知ることができる上、採用担当者の心に届きやすい「応募の一歩」になるはずです。
まとめ｜良い出会いは、直接の応募から
紹介会社の利用は決して悪いことではありません。ただし、採用の現場では「できれば直接応募の人を採りたい」というのが本音です。
コスト面だけでなく、職場との相性や雰囲気をじっくり見て、自分の言葉で思いを伝える――そんな直接応募には、紹介会社を通じた就職活動では得られない価値があります。
遠回りに見えるかもしれませんが、直接応募は採用者との信頼の架け橋となり、希望する働き方を叶える第一歩となるでしょう。
