給食の現場で働くってどんな感じ?

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保育園に通う子どもたちにとって、給食は日々の楽しみの一つです。そんな大切な食事を支えるのが、給食の現場で働く調理師や調理補助、栄養士たちです。しかし、保育園の給食室がどんな風に回っているのか、外からはなかなか見えにくい部分でもあります。

このコラムでは、保育園の給食現場で働く一日の流れを紹介しながら、そこにある工夫ややりがい、そして苦労もリアルにお伝えします。調理職への就職・転職を考える方にとって、現場のイメージが具体的につかめるような内容です。

目次


7:00~8:00 出勤・朝の準備

朝一番に園に到着すると、まずは白衣に着替え、手洗い・消毒を徹底して調理室に入ります。厨房内はすでに静かに動き出しており、調理スタッフ同士の「おはようございます」の声が行き交います。

この時間帯は、冷蔵庫から食材を出して下ごしらえを始めたり、野菜の洗浄やカット作業を進めたりと、一日のベースを作る大切な時間です。献立に使う野菜の種類が多い日には、この下ごしらえだけで1時間以上かかることもあります。

ある日の献立が「カレーライス、ひじきの煮物、ブロッコリーの和え物」だった日は、大量のじゃがいもと玉ねぎの皮むきに黙々と集中。手元は慌ただしく動きつつも、スタッフ同士で「今朝ちょっと寒いね」なんて雑談が交じるのも、厨房ならではの雰囲気です。

8:00~9:30 調理スタート

下ごしらえが終わると、いよいよ調理作業に入ります。複数の鍋やオーブン、スチームコンベクションを使いながら、同時進行で数種類の献立を進めていきます。時間配分と火加減の管理が重要で、調理師の腕の見せ所です。

保育園の給食は、子どもの年齢やアレルギー対応を考慮して作られているため、個別の盛り付けや除去食などの細かい配慮も必要です。アレルギーのある子どもがいる場合は、調理器具を分けたり、食材の取り扱いに特に注意を払います。

一人ひとりの健康と命を預かる責任感が、厨房には静かに漂っています。

9:30~10:30 盛り付け・配膳準備

この時間帯には、炊きあがったごはんやおかずの盛り付け作業が始まります。園児の年齢に合わせて一口の大きさや量を調整しながら、手早く丁寧に仕上げていきます。

「年少さんにはこのくらいでちょうどいいかな」「この子はブロッコリーが好きだから、ちょっと多めに」など、子どもたち一人ひとりの顔を思い浮かべながら盛り付ける調理職員も少なくありません。

食缶やワゴンに給食を並べ終えると、保育室に向けて配膳準備が完了。園によっては、調理スタッフ自身が各クラスへ運び入れることもあります。

10:30~11:30 離乳食・アレルギー対応の確認

この時間帯には、離乳食やアレルギー食など、特別な配慮が必要な食事の準備に集中します。たとえば離乳食では、月齢ごとに食材の大きさや調理法を変える必要があり、「何を、どのくらい、どの形で出すか」という繊細な判断が求められます。

園児の食の進み具合や、最近の様子なども保育士から共有され、それをもとに微調整を加えることもあります。栄養士が中心となってこの確認作業を担いながら、スタッフ全員で「その子にとっての安全でおいしいごはん」を届けることが目標です。

11:30~12:30 配膳と昼食の様子チェック

子どもたちが給食を食べ始める時間です。調理スタッフの中には、園児の様子を見に各クラスへ足を運ぶこともあります。「今日はよく食べてますね」「苦手だったかぼちゃも完食です!」という保育士の声に、自然と笑顔がこぼれます。

調理室にいても、「おかわり!」という元気な声が聞こえると、モチベーションがぐっと上がるものです。子どもたちの食べる様子を直接見る機会があるのは、保育園ならではのやりがいでもあります。

12:30~13:30 片付け・洗浄作業

食事が終わると、使い終わった食器や食缶が戻ってきます。ここからはスピーディーな洗浄作業の時間。洗浄機をフル稼働させつつ、大鍋などの大物は手洗いでしっかりと汚れを落とします。

この時間帯は集中力が必要な作業が続きますが、スタッフ同士で手分けしながら効率よく回していくのがコツです。「どこを拭いて、どこを戻すか」が自然に共有されていて、チームワークの良さを感じる場面でもあります。

13:30~14:30 おやつ準備と明日の仕込み

午後の園児たちが楽しみにしている「おやつ」の準備が始まります。手作りクッキーやフルーツゼリーなど、子どもたちに喜んでもらえる工夫が詰まったメニューも少なくありません。

また、並行して翌日の給食の仕込み作業も行います。野菜の下処理、乾物の戻し、食材の確認など、明日のスムーズな調理のための準備をしっかり行います。

14:30~15:30 書類整理・衛生管理

作業の終わりには、調理記録やアレルギー対応の記録など、書類の整理が待っています。栄養士が中心となって、献立実施状況や衛生チェックの記録をつけ、保護者への連絡事項があればそれも準備します。

さらに、調理室の衛生管理も重要な業務の一つです。冷蔵庫の温度チェック、器具の消毒、床や壁の清掃など、日々の丁寧なメンテナンスが、安全で信頼される給食づくりにつながっています。

15:30〜16:00 退勤・振り返り

業務を終えると、白衣を脱いで一日を振り返る時間。「今日は子どもたちがたくさんおかわりしてくれて嬉しかった」「明日のかぼちゃスープ、もう少しとろみを強めた方がいいかも」など、小さな気づきをスタッフ同士で共有します。

その積み重ねが、翌日の給食にも活かされていきます。日々の業務は忙しくても、子どもたちの「おいしかった!」という言葉が何よりのご褒美です。

おわりに

保育園の給食現場は、毎日が「子どもたちのために」という思いで動いています。栄養バランスや味の工夫だけでなく、アレルギー対応、安全管理、衛生意識など、調理職には専門的な知識と繊細な配慮が求められます。

それでも、「食」を通して子どもたちの成長を支えられるやりがいは、大きな魅力です。日々の繰り返しの中に、季節の移ろいや園児の笑顔、ちょっとした会話から得られる達成感があります。

「ありがとう」「また作ってね」と言われたその瞬間、給食の現場で働くすべての苦労が報われるような気持ちになります。そんな仕事に、興味を持ってもらえる人が一人でも増えることを願ってやみません。